王子と姫が出会いました。
緩んだ腕の中から脱出して、そのまま下駄箱に向かった。



王子君に謝らなきゃ…。



嫌いなんて言ったこと…。



ごめん、ごめん、ごめん…。



かばんも持たずにやって来た王子君のマンション。



インターホンを押しても反応はなかった。



もしかして寝てるかもしれない…。



どこかに行ったとか…。



なぜか動けなくて、マンションの外の花壇に座った。



王子君に謝りたくて…。



彩君を殴ったことは許せないけど、きっと王子君と彩君の間になにかあったんだと思う…。



王子君はなにもしてない人を急に殴ったりしない…。



信じなくてごめん…。



携帯にかけても、何度インターホンを押しても無反応だった…。



いつの間にか薄暗くなってきてて、マンションの外灯が着いていた。



冷たくなった風が吹き、体が冷えてる…。



だけど会いたい…。



ポケットに手を入れたり、少し動いてみたり。



インターホンも押すけどやっぱりいないのかもしれない…。



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