王子と姫が出会いました。
お互い話さずに、ただ寄り添う。



お腹が空いてるはずなのに食べたくない…。



このまま寝てしまいたいな…。



「ただいま」

「あっ、瑞紀君っ…」



瑞紀君が帰宅したから離れようとしたのに、少し体を動かしたら引き寄せられた。



見上げると不安そうな顔をしてて…。



「久しぶりに暴れたんだってな~。なにがあった?」

「姫を好きだってヤツがいて、俺が妬きすぎた…」

「1年の九条ってヤツだろ?後輩に聞いたけど転校して来たばっかりのくせにまたどっか行くらしいぞ」

「は?」

「可哀相なヤツらしいけど。最近の王子がキレんだから相当だろうな」



彩君、いなくなっちゃうんだ…。



もしかしてただ仲良くしたかっただけだったり…。



「あんなに生意気な後輩は初めてだ…」

「王子がケンカして仲良くなんねぇ後輩ってのも初めてなんじゃねぇの?」

「うるせぇよ…」



あたしのことを抜かせば、きっと王子君と彩君は仲良くなってたんだろうな…。



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