王子と姫が出会いました。
その日は1日姫が膨れてた。



俺はバイトがあるから姫に構ってやれない…。



「蘭子、ちょっといい?」

「姫のことでしょ?柳沢使って調べてやったよ。あたしも姫が心配だからね」

「でっ?」

「純粋な雑誌だったよ。若い子向けの。王子のブランドとはちょっと路線違うけどね」

「姫、なんか言ってた?」

「楽しそうに話してた」



柳沢さんが調べたなら心配いらねぇんだろうな…。



母ちゃんもモデルやっててさ…。



親父、お前の血が濃すぎだバカヤロー…。



「もしもしリュウさん?」

「はい」

「姫って今どんな契約内容かわかりますか?」

「調べて折り返します」

「じゃあメールで」

「はい」



姫の意志は尊重してやりたい気もするけど…。



俺、心配なんだよ…。



こんなに人を好きになったことねぇから…。



知らない世界でうまくやっちゃう姫を想像するだけで怖くなる…。



俺の腕の中からいなくなっちゃう気がして、なんだかスゲー怖いんだ…。



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