王子と姫が出会いました。
どうやらふたりで地方に出張だったらしく、お土産を置きに来たんだとか…。



有名なラーメン…。



それはありがたいんだけど…。



なにも言わないで帰るのかな…?



男のコを家に泊めるなとか言われないの?



「これからも姫をよろしくね~」

「城野君、また」



慌てて『あっ、はい!!』と言った王子君の引き攣った笑顔は一生忘れないかもしれない…。



パタンと閉まったドアにカギをかけた。



コタツに入って魂の抜けた王子君にかける言葉が見つからない…。



「姫…髪が濡れてる…」

「か、乾かして来ます…」

「いいよ。やってやるから」



とりあえず髪を乾かしてもらった。



さっきまでの眠気なんかどこへやら…。



「眠れなくなっちゃいました…」

「テレビでも見てよっか。俺も変に緊張して全く眠くねぇや…」



あたしもです。



またコタツでふたりでぬくぬくすることにしました。



嵐が去った後みたい…。



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