王子と姫が出会いました。
このまま溺れたいと思うあたしは変なのかな?



噂では中学の時からケンカばっかりしてたらしく、『城野 王子』は有名人みたい。



話しだけ聞けば怖い人。



でもあたしにはすごく優しい人…。



本物の王子君はこっちだよね?



「王子君…?」

「ん~?」

「いい匂いします…。王子君のお部屋の匂い…」

「姫もシャンプーの匂いが…なんかこう…ムラッとすんだけど…」

「え゙っ!?」

「ウソ。このままで超幸せ…」



しばらく抱きしめられてた。



いつの間にか離れたくなくて…。



あたしは確実に王子君に惹かれてる。



「キスしていい?」

「えっ!?えっ!?えぇぇぇっ!?」

「やっぱ今のナシ。そういうのはしない約束だ」



そう言った王子君はあたしの頬を撫でた。



男の人の指って長くて骨っぽい…。



そのまま親指が唇をなぞって…。



パッと手が離れた。



「アホ面っ!!」

「なっ!?ひ、ひどいっ!!」

「ごめん、超カワイかったからつい」



ダメだ、あたし…。



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