王子と姫が出会いました。
信用
【王子】



5年ぶりに見たナツカの親父さんは痩せてた。



病院のベッドにいる姿は小さく見えて、なぜか無性に怖くなる…。



「大きくなったな~。ますますマリアに似て来たんじゃないか?」

「よく言われます」

「元気そうでよかったよ」



家族ぐるみの付き合いがあったナツカんち。



叔父さんである今の親父がひきとってくれなかったら、俺はこの家族に世話になってたかもしれない…。



病院を出て、ナツカと歩いた。



基本的にナツカは昔からの友達って感じがする。



恋愛感情は全くないけど…。



姫がどうしようもなく怒ってるから今日のことも説明できなかった…。



後ろめたさはないと言ったらウソになる…。



「よくないみたいだな…」

「うん…」

「手術、成功するといいな」

「うん…」



ナツカの話しを聞いて、ほっとけなくなった。



俺が好きなのは姫で、ナツカにはそんな感情はないけど…。



しいて言うならば、ナツカは瑞紀と同じような感じ。



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