王子と姫が出会いました。
姫ん家の近くの公園を通り掛かった時、信じがたいものを目にした…。



ベンチに座る姫と3年の平岡ってヤツじゃ…。



佐和先輩とも仲良かったから名前は知ってる。



確か平岡 コウとかって…。



どんな繋がりだよ…。



楽しそうに笑う姫にイラッ…。



「なにしてんの?」



近付いてそう言うと慌てたように立ち上がった。



手に持ってたミルクティーがパシャッと姫のスカートにかかって…。



意外と冷静な自分にもビックリする。



「王子様のお迎えだね~。俺、行くから。またね、姫ちゃん」

「あっ、ありがとうございました」



なんなのマジで。



すれ違いざまに睨まれた気がした。



「なに?浮気とかってヤツ?」

「違うよ!!帰り道が一緒で、コウ先輩のバイト先にあたしが欲しかったバッグがあって…」

「仲いいんだ」

「そういうわけじゃ…」



もうムリ。



俺に言うだけ言って自分は他の男かよ。



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