王子と姫が出会いました。
いつもの姫の威嚇もなく…。



「昨日はありがとね。パパも喜んでた。手術の日が決まったんだ」

「そうか、いつ?」

「クリスマスイヴ。いい日だよね?大丈夫だよね?」

「お前が不安になってどうすんだよ。大丈夫だって」

「ありがと!!それだけ!!」



少し元気になったナツカは教室を出て行った。



心の底から成功を願ってる。



「昨日…一緒だったんですね」

「…………親父さんの見舞い行っただけ。すぐ姫ん家に向かった」

「知らなかったです」

「話そうとしなかったのはお前だろ」

「そうですね」



なんだよコレ。



口を開けば傷付け合ってる。



俺はお前にちゃんと言ったよな?



姫が好きなことが前提だって。



俺の気持ちは無視かよ…。



「お父さんの手術の日、一緒にいてあげたらいいのに」

「は…?」

「支えてあげたらいいですよ。あたしは知りませんけど」

「ちょっと待てよ姫…。お前性格わりぃぞ」

「わかってるよ!!もう全部ヤダ!!」



いつもの姫じゃねぇ…。



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