王子と姫が出会いました。
起きろよ姫。



それは俺じゃねぇぞ…。



「カワイイね、姫ちゃんって。もらうから」

「やんねぇよ…」

「付け込むのは今っぽいし。どんだけ泣かせんの」



そう言った平岡は引き寄せた姫の頭にチュッとキスをした…。



ブチッと頭の中でなにかがキレる。



気がつけば姫と平岡を引き離して平岡を殴った後だった…。



「王子…君…?」



うるせぇ、うるせぇ、うるせぇ!!



どいつもこいつも!!



「やるなら広いとこがいいね」

「出ろよ」



卒業の時佐和先輩がくれた屋上のカギでそのまま屋上に出た。



彩以来ケンカなんかしてなかった。



結局俺はこうなるんだ…。



平岡は佐和先輩と仲がよかったってだけあってかなり強い。



ガッツリ殴られ、殴り返し。



その繰り返しが結構続いた。



「やめてよ王子君っ!!ひどいよ!!」

「なんで庇うのはソイツなの?なんで俺じゃねぇの?いつもそうだよな?」

「だってコウ先輩はなにもしてないです!!」



呆れた。



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