王子と姫が出会いました。
もうマジでどうだっていい。



「無防備に寝てキスされたことも気づかねぇで。なにもしてねぇ?笑わせんじゃねぇよ」

「えっ…」

「わかったよ。もういい。姫なんかくれてやる」

「王子…君…?」

「いらねぇ。お前なんかどこにでも行け」



姫が『ヤダ』って言ってた。



めんどくせぇからもういい。



いつまでも信用されねぇし。



姫には俺なんかよりいいヤツいんだろ。



階段を降りて教室に戻ると一瞬シーンと静まり返った。



「訳はあとで聞くから座りなさい」

「帰る。じゃ」



暴れ足りねぇ。



姫からもらった誕生日プレゼントのストラップを外して姫の机の上に置いた。



なにも考えたくねぇし。



もういらねぇ。



そのまま帰り、ひたすら寝た。



仕事までは寝たかった。



起きてから探しまくって予約した旅館をキャンセル…。



もうどうにでもなれって感じ。



顔に出来た傷は隠しようがなくて、そのまま仕事へ向かった。



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