王子と姫が出会いました。
散々泣いてから教室に戻ると蘭ちゃんがいた。



「世話焼かせすぎだから」

「ごめんなさい…」



王子君の姿がなかった。



帰ったのかな…。



一応カバンはあるみたいだけど。



「もう王子なんかやめちゃえ」

「そう…だね…」



あんなこと言われてまで好きでいる意味があるんだろうか…。



あたしのこの気持ちはいつになったらなくなるのかな…。



「姫ちゃんいる~?」

「コウ先輩…?」

「今日一緒に帰ろ」

「イヤ…です…」

「俺、待ってるもん。じゃね」



コウ先輩はなんだか元気をくれる…。



でもありがた迷惑…。



「先輩、申し訳ないですけどひとりにしてください…」

「ひとりにしてやんねぇよ」

「ヤダ!!もう構わないで!!」

「姫ちゃん…」



あたしに構わないで。



もうヤダもん…。



頭の中いっぱいいっぱいだもん…。



「俺と付き合わない?城野と別れたんでしょ?」

「イヤです。イヤです!!」



全部イヤ!!



< 600 / 701 >

この作品をシェア

pagetop