王子と姫が出会いました。
慌てて部屋から出て行こうとする姫はあのままずっと寝てたみたいで…。



「どこかに…行ってたの?」

「関係なくね?」

「そうだね…うん、ごめんなさっ…指輪は!?あたしの指輪!!」

「捨てた」

「なんでそんな勝手なことするの!?あたしのだよ!!あれは大事なっ…」

「うるせぇよ!!あんなもんなんの役に立つんだよ!!さっさと出てけ!!」

「王子君なんて…大嫌いっ!!」



目にいっぱい涙を溜めた姫がパシッと俺を叩いて出て行った…。



ジンジンする頬…。



心の方が痛いのは、きっと姫をすごく好きだから…。



終わったか…。



コレで…。



「王子っ!!お前いい加減にしろ!!姫の気持ち離れたら終わりなんだぞ!!」

「わかってやってんだよ!!俺は姫が怖い…。もうあんな思いしたくねぇんだよ…」

「王子…」



姫といてこんな気持ちになるなら、もう忘れてしまいたい。



スッキリ忘れたら…絶対楽になれるんだ…。



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