王子と姫が出会いました。
瑞紀が俺を攻めたのも納得できる。



ただのケンカならそれでいい。



でも…。



もうそばに置いといて傷つけるのもイヤだから…。



「もう終わったんだ…」

「いいのかよ、それで…」

「こうするしかねぇじゃん…。俺が怖がってんだから…」



たぶん俺はもう恋なんかしない。



誰にも溺れない。



絶対に。



こうして、俺と姫は完全に終わった。



3年になり、真面目に授業を受けて受験に備える。



帰ってきた親父と妹とついでにミクは、俺と姫のことにビックリしてた。



そして蘭子から聞いた、姫が平岡と付き合いはじめたって。



よかったじゃん。



顔もそこそこよくて、カッコイイ部類に入るし。



優しそうで姫には合ってるよ。



ナツカの親父さんは奇跡的に助かり、今は元気に仕事ができるまでに回復した。



時間が止まってるのは俺だけ。



姫がいなくなった穴は誰にも埋められない…。



この空虚感は、たぶん一生引きずるだろう。



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