王子と姫が出会いました。
これ以上誰も傷つけたくないのにっ…。



「休みの日、姫の仕事がないならデートしよう。海とか行くのも楽しくね?」

「海…ですか…」

「どこでも好きなとこ連れてくよ」



こんな弱いあたしのどこがいいの?



あたしの中には王子君しかいないのに…。



優しくしないで…。



もっと頼ってしまうから…。



「海は焼けちゃうので…」

「じゃあどこ?」

「おいしいラーメンが食べたいです…」

「それは昼メシでしょ?行きたい場所」



王子君、王子君とラーメンが食べたいです…。



頭がおかしくなるっ…。



「情緒不安定すぎてっ…ご迷惑ばかりっ」

「そんなにアイツがいい?」

「あっ…」

「俺じゃ姫の心は癒せねぇの?もう半年近く話してないのに…」



ごめんなさい、ごめんなさい…ごめんなさい…。



強くなりたい。



王子君を忘れたい。



前に進みたい…。



「忘れたいのにっ…」

「ごめん、言い過ぎた…」



忘れたいのになくならない…。



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