王子と姫が出会いました。
焦りは禁物
【王子】



再び手にした俺のお姫様はなにがなんでも離したくない。



とにかく絶対離したくない。



「熱くないですか…?」

「うるせぇ。離れたいの?」

「せめてエアコンの温度下げますから…」

「ダメ。逃げるからヤダ」



とにかくくっついてる。



姫の部屋でベッタリ。



外は真夏で西日が差し込む時間…。



熱いなんて知るか。



俺が離したくないんだから。



それに塾と会社の往復で夏休みが終わるっつーのに姫に触れなかったから。



やっともらった休みは充実させないと。



「そういや姫の進路ってどうなってんの?」

「今の雑誌で読モ続けながらどこかで働こうかと…」

「ならうちの店。はい、お前の就職決まり」

「でもそんなコネみたいな…」

「不満か?」

「だって自分の力じゃないですし…」

「少し顔が知られててうちのモデル経験もあって。俺が社長なら私情抜きで雇うけどな」



そう言ったら喜んだ。



これでもかってほど束縛したくなる…。



働かせねぇで結婚したい。



専業主婦にでもなって家から出なきゃいいのに…。



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