王子と姫が出会いました。
一応鍋のことは伝えた。



だけど気になってすぐに風呂から出た。



愛しの姫がキッチンに立ってるじゃないか!!



家事できねぇんだろ!?



「これ、なに?」

「ん、カレー」

「ご飯炊けたみたいです」

「そう。お前はなにしてんの?」

「ヒマだったから見てた!!」



ぶはっ!!



鼻血もん。



『見てた』じゃねぇよ!!



姫が見つめたらカレーがうまくなっちまう…。



「座ってください」

「なんで?」

「髪、乾かします!!さっきのお礼です!!」



それってヤバくない?



俺の頭をどうする気?



「いや、自然乾燥で十分なんで…」

「ダメです!!ひとりなんだから風邪ひいても看病してくれる人いませんよ?」



そん時は姫にしてもらうから。



なんて言おうとしてやめた。



期限が迫ってることに気づいて、なんか虚しくなったから。



おとなしくソファーに座ると、姫が髪に触れた…。



小さい手が俺の頭に…。



考えるだけでのぼせそう…。



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