王子と姫が出会いました。
姫はどう思ってるかわかんねぇけど、でもマジで好きなんだって。



もしフラれても、たぶんお前に近づく男がいたら片っ端からシメてやる。



だから他に行かないで、俺を見てくれと切に願う…。



「ってか…。時間平気か?」

「えっ!?あっ、こんな時間…」



バイトが終わったのが夕方の6時。



そこから今まで1時間半。



今すぐ出ても姫が家に帰る頃には夜の9時を過ぎる。



もちろん送るつもりではいるけど、親的に心配してねぇかと…。



「雨止まないし…。めんどくさいなぁ…」

「じゃあ泊まれば?」



なんて軽い気持ちで言ったのに、姫の目が輝いた。



えっ、予想外の反応なんだけど…。



「いいんですか!?」

「俺は構わないけど…」

「じゃあ一晩お世話になります!!」

「は!?」

「えっ、ダメなら帰りますよ?」

「だ、ダメじゃねぇよ!?と、泊まれ泊まれ!!」



コイツの警戒心のなさもまた魅力なんだろうな…。



ハァ…。



今から拷問だな…。



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