王子と姫が出会いました。
女の人だったらどうしようと思ったのもつかの間、普通に隣で携帯を開いた。



見ても大丈夫なのかな…。



「嫌な予感…」



ディスプレイには『城野 冬次』の文字。



トウジさん?



人差し指を立てて静かにしてろと合図した王子君は電話に出た。



「死んでねぇか?」

「おかげさまで生きてます」

「そうか。17日空けとけ」



聞こえた声は大人の男の人の声だった。



王子君と似てるような気もする…。



丸聞こえだけどいいのかな…。



「また?」

「今回はポスター頼むから」

「プロに頼めよ~…。やりたくねぇって言ったじゃん…」

「なに言ってんだ。今はなき兄貴の息子が頑張ってるって言ったら注目されて売れんだろうが」

「それってどうなの?叔父さん、プライドとかねぇの?」

「ねぇよ。じゃあギャラは弾むから頼んだぞ」



ブチッと切られてるみたいなんですけど…。



叔父さん…なのかな?



「ヤダよ。やりたくねぇよ…。イ~ヤ~ダァァァァァァ~!!」



発狂してます…。



< 72 / 701 >

この作品をシェア

pagetop