アネモネ*~風、君を愛す~
「ま、紗那はいいじゃん。
ヨシ君と結婚するんだし」
「ん、どうだろ?
本気かどうかもわからないのに。
人の気持ちっていつか変わってしまうかも知れないよ?」
「いやいや、ヨシ君はマジだって。
浩司にも令君にもそんなこと言ってたみたいよ」
「え?そうなの?」
ヨシが友達にそんな話しをしてくれてたことに、
嬉しくて泣きそうになる。
「そうそう。
だから高校は行かなくていいじゃん」
「なんか、
紗那ひとりにしたら迷子になるって言ってたんだって」
「そんな簡単に結婚て…、
しかも迷子ってさ」
確かにアタシが16歳になったら…って、
プロポーズ?みたいなことは言われたけど。
未成年のアタシたちが勝手に決められることではないし、
不安なことだってある。