アネモネ*~風、君を愛す~
隣に居るおばちゃんを見ると、
静かに頷いてくれた。
アタシは小さな欠片をハンカチに包み、
ポケットにそっと入れた。
姿は見えなくても、
アタシの中でヨシは、
いつまでも生き続けていると信じて…
「ヨシ、
一緒に家に帰ろうね」
アタシは小さな箱をしっかりと胸に抱え、
「ヨシ、愛してるよ。
ずっとずっと…」
誰にも聞えないように小さな声で、
そしてアタシの腕の中で眠るヨシに、
キスを落とした。