アネモネ*~風、君を愛す~
家へ戻る日は、
母が迎えに来てくれた。
「おばちゃん、
お世話になりました」
「栄子さん、いつでも連絡して。
無理だけはしないで…」
「ありがとう。
紗那ちゃん、麻紀子さんも、本当にありがとう。
私は大丈夫だから…」
アタシと母の手を握り、
おばちゃんは泣き崩れた。
辛いのはアタシだけじゃないってわかってるのに、
おばちゃんを支えてあげることが、
この時のアタシには出来なかった。