アネモネ*~風、君を愛す~


荷物をトランクに入れて、

アタシは助手席に乗った。

カーステレオからは、

ヨシの好きだった曲が流れていた。


「消して」


「…え?」


「消してってば!」


母を困らせたいわけじゃないのに、

気持ちを上手くコントロールすることが出来ない。


「ママ、
アタシ転校はしないから」


アタシは運転する母に背を向け、

そのまま眠ってしまった。


< 250 / 507 >

この作品をシェア

pagetop