アネモネ*~風、君を愛す~


部屋でウトウトしていると、

母が呼びに来た。


「夕食が出来たから下りておいで。
お父さんたちも待ってるよ」


「いらない。
食べたくない」


「紗那?」


「いらないって言ってんの」


「そう。食べたくなったら言いなさい。
皆、心配してるから…」


「うるさい!心配て何?
アタシが可哀想だから?ほっといてよ」


わかってる、

わかってる、

だけど…

アタシはこの日から、

家族を避け始めた。

全てが嫌になり、

そしてアタシは、

笑わなくなったんだ。



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