アネモネ*~風、君を愛す~
「真紀、
お前に客来てるぞ」
さっきの男の子が、
真紀ちゃんを呼んでくれた。
「誰?」
「知らなーい」
滑り台の方から、
真紀ちゃんが歩いて来るのが見える。
「真紀ちゃん?」
「あ、えっ?
紗那ちゃん?」
「うん、ごめんね。
急に来たりして」
「いいよー、で、どうしたの?
…って、その荷物は何?」
「家、出て来たの」
「えっ?家出?
取り敢えずあそこ座って話そうか」
真紀ちゃんに連れられてベンチに座り、
ヨシのこと、
家に帰ってからのことを一気に話した。
誰でも良かった。
ただ、
アタシの心の叫びを聞いて欲しかったんだ。