アネモネ*~風、君を愛す~
「少しは落ち着いた?」
「ごめんね、真紀ちゃん」
「いいって!気にしないの。
それで、修二は知ってんの?家出のこと」
「修ちゃんは知らないよ。
暫く黙っててくれないかな?
心配かけたくないの」
「いいけど…。
紗那ちゃん、行く所は在る?」
「ない。
何も考えないで家出てきちゃって…」
「そっか。
ちょっと待っててくれる?」
「えっ?」
そう言って真紀ちゃんは、
10数人が輪になって騒いでいる方へ走って行ってしまった。