アネモネ*~風、君を愛す~


「少しは落ち着いた?」


「ごめんね、真紀ちゃん」


「いいって!気にしないの。
それで、修二は知ってんの?家出のこと」


「修ちゃんは知らないよ。
暫く黙っててくれないかな?
心配かけたくないの」


「いいけど…。
紗那ちゃん、行く所は在る?」


「ない。
何も考えないで家出てきちゃって…」


「そっか。
ちょっと待っててくれる?」


「えっ?」


そう言って真紀ちゃんは、

10数人が輪になって騒いでいる方へ走って行ってしまった。


< 261 / 507 >

この作品をシェア

pagetop