アネモネ*~風、君を愛す~
―september―
ネオン街に通い始めて、
1週間が過ぎていた。
その間、
色々な人がアタシに声をかけてきた。
「ねえ、ねえ、
店に来ない?」
「……」
どこかのホストクラブのキャッチばっかり。
「楽しませるしさー」
「お金ない。
中学生だから」
こう言えば、
手の平を返したように態度が変わる男たち。
「子供はさっさと帰って寝な。
こんな所ウロウロすんじゃねーよ」
仕事も見付からない。
声をかけてくるのはウザイ男たち。
1人で生きて行くことが、
こんなにも大変だなんて…。
自分の未熟さを痛い程感じていた。
{ヨシ、アタシを助けて…}
この時のアタシの心は完全に感情を無くし、
既に限界を越えていた。