アネモネ*~風、君を愛す~
話し終えて、
隣に座るアツを見ると、
静かに目を閉じていた。
そして、
アツの頬に一滴の涙がつたった。
「アツ?
何で泣いてるの?」
「何も言わなくていい。
…俺が、紗那を守ってやるから。
だからここに居ろ」
薄明かりの中、
2人の視線が混じり合う。
アタシとアツは何かに惹き付けられるように、
そっと唇を重ねた。
壊れ物を扱うように、
アツの大きな手がアタシを包み込んで…。