アネモネ*~風、君を愛す~
―octonber―
アツと暮らし始めてから、
1ヵ月が過ぎようとしていた。
あの日、
アツに全てを話した日から、
アタシは1度も泣いていない。
心も落ち着き始め、
少しずつ笑えるようにもなっていた。
初めの頃は、
夜、1人になるのが、
怖くて怖くて仕方がなかった。
「仕事、行ってくるな!」
夜7時には、
仕事へ出かけてしまう。
「うん。頑張ってね」
アツが困らないように笑顔を作ってみせる。
「そんな不安そうな顔するな。
ちゃんと帰ってくるから…」
{帰ってくるから}
アタシが不安そうな顔をすると、
アツは必ずこう言ってくれた。