アネモネ*~風、君を愛す~


悲しみの夏から季節は秋へと変わり、

10月も気付けば半分が過ぎていた。


「な、紗那?
お前、学校は大丈夫なのか?
お父さんとお母さんに連絡してみるか?」


父と母のことは忘れたわけではない。

ずっと、ずっと気になってた。

学校のことだって、

友達、玲と志保のことも…。

アタシがアツと暮らし始めてから、

たまに真紀ちゃんと美也子ちゃんが遊びに来てくれるだけだった。


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