アネモネ*~風、君を愛す~


大きく息を吸い込み、

受話器を握った。

ボタンを押す指がどうしても震えてしまう。


「ふうー」


トゥルルルルーー


「もしもし、
松井でございます」


数ヶ月振りに聞く、

母の声。


「もしもし?どなた様?」


「…ママ?」


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