アネモネ*~風、君を愛す~


「アタシ、自分のことしか考えてなかった。
ママ、ごめんね。
修ちゃんにも真紀ちゃんにも迷惑かけちゃった」


父と母、

そして友人たちの優しさに、

アタシは心から感謝した。


「…おばちゃんは元気かな?」


「栄子さんなら大丈夫よ」


「良かった」


「もういいから。
ね、紗那、1度、帰っておいで?」


「…アタシ、
帰っていいのかな?」


「そんなの当たり前でしょ。
何があっても紗那は私の娘なのよ。
それから、敦志君だっけ?連れておいで。
ママ、会ってみたいわ!
紗那が選んだ人ならきっと良い男ね。
きちんとお礼言わないとね」


そう言って母は、

ふふって笑ったんだ。



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