アネモネ*~風、君を愛す~
―november―
母へ電話をかけてから数日が過ぎた。
仕事を終えて朝方帰宅したアツを起こさないように、
そっとベッドから抜け出す。
冷たい空気の流れるリビング、
ブルっと身震いをしながら、
暖房のスイッチを入れた。
ホットミルクを飲みながら、
部屋が暖まるのを待つ。
ふと、
テレビの横に飾ってあるカレンダーが目に映った。
アタシのお気に入りのひとつ。
ガラスのフレームに入っている、
夜景の写真が付いたカレンダー。
「まだ、
10月のままになってるし」
ミルクを飲み干し、
カレンダーを1枚捲り11月にした。