アネモネ*~風、君を愛す~

―december―



12月、

街並みはすっかりクリスマス一色になっていた。

日曜日だけが唯一、

アツとゆっくり過ごすことが出来る大切な時間。

朝方、

仕事から帰って来たアツが、


「昼から出かけるぞ」


「…」


「どうした?
一緒に出かけるぞ」


「えっ?」


アツと暮らし始めてから、

一緒に出かけたことがなかった。

それは…、

アタシがずっと断ってきたから。


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