アネモネ*~風、君を愛す~
紗那との出会いは必然で、
それは生まれる前から決められていたんだ。
紗那は笑って言葉を濁すかも知れないね?
もう、
随分と長い間、
色のない世界にいた俺に、
葉脈すら見えるようなたくさんの「緑」を魅せてくれる。
それは、
紗那がいるから…
紗那と見るからなんだ。
そんなことにやっと気付いた。
紗那はまたきっと笑うんだ。
それでも構わない。
俺には紗那の笑顔ほど愛しいものなどないんだから…
いつの日にか、
この想いが紗那に届けばと願う俺を、
今はただ、
俺の傍で笑っていて欲しい。