アネモネ*~風、君を愛す~
{ピンポーン}
チャイムの音でハッと我に返った。
「あ、ヨシだ!」
時計の針は、
既に夕方6時を過ぎていた。
ヨシが来たんだと直ぐにわかり、
玄関まで走った。
「ただいまー」
「おかえり、ヨシ♪」
仕事を終えて作業服のままのヨシ。
急いで来てくれたことが嬉しくて、
1人ニヤニヤしてしまう。
「紗那、何ニヤニヤしてんだ?」
「何でもなーい。
早く上がって?」
ヨシと手を繋ぎ、
母の待つリビングへ向かった。