アネモネ*~風、君を愛す~


アタシとヨシの家は、

歩いて15分の距離がある。

校区内ではあるけれどアタシの通う中学校は、

ヨシの家とは反対方向にあった。

朝が苦手なアタシが、

今までよりも早起きをして学校へ行けるとは思えないと母は言う。

そうだよね…。

今までのアタシなら絶対に出来ることじゃないって自分でもわかるから。

だけど、

この夏休みの1ヶ月でアタシは変わったよ?

って母に宣言出来る。


「アタシ頑張るから、
ママお願い」


「おばちゃん、俺がちゃんと学校へは行かせる。
1度でも遅刻したら、おばちゃんの所に帰すから、許してくれないかな?」


「お願いします」


2人で頭を下げた。


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