アネモネ*~風、君を愛す~


暫く沈黙が続いた後、

母がゆっくりと話し始めた。

アタシとヨシの真剣な思いをわかってくれたみたい。


「紗那、約束するのよ?
遅刻はしないこと、毎日必ず電話をしてくること。
守れない時は家に帰ってくること」


「ママ、ありがとう。
約束するから!」


「おばちゃん、ありがとう。
紗那のことは俺が責任持って預かるから」


「2人には負けたわ。
ヨシ君のお母さんにはママから電話しておくからね」


*****

こうして季節は短い秋に終わりを告げ、

冬へと姿を変えていった。


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