アネモネ*~風、君を愛す~
「それね…。
明日のバレンタインに…」
泣きそうで上手く話せない。
「明日?
あ、バレンタインだったのか!」
「ヨシをビックリさせようと思って作ったんだけど、
隠すの忘れてたよ」
「そっか。1日早いけどありがとうな。
手作りとかヤバいな。嬉しすぎ。
ご飯食べたら一緒に食おう」
我慢していた涙が、
次から次へと零れ落ちた。
「…ヨシ」
後ろからヨシに抱き締められたまま、
アタシは静かに頷いた。
「ありがとう、紗那」