わがままなメニュー
帰りの車の中は重い空気だった


『花乃子…ごめん』


『いいわよ…どっちみちあっちからいってくるかもしれなかったし』


『なんか…あの二人見てたら頑張れって気持ちでてきて…美沙子ちゃんも美沙子ちゃんなりに考えてるんだと思う

大友さんにしろ、大学の件は説得するっていってたし…ここは気持ちよく…』


『許しても許さなくても、きっとやっていくわよ。ただ…美沙子には苦難の道なの。それをまだ受け入れてないのに、勢いで結婚ってのが信じられないだけ』


『花乃子はまだ俺受け入れてくれないのか?』


『自信がないのよ、まだ。いろんな事に』


『俺は待つって言ったから待つけど…やっぱり早く嫁さんにしたいよ』


そういうと晴彦は黙り込んでしまった


マンションに着き、晴彦に夕飯をご馳走した


なんでも美味しいと食べてくれる可愛い人


決して嫌いなんかじゃない


嫌いになれるわけがない


セックスの相性もいいし、一緒にいて安らぐ


だったら…


『結婚』という文字が頭に浮かんだ
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