わがままなメニュー
翌朝私達はタクシーに乗って一番近い産婦人科へ、診察に行った


大きな病院で、たくさんの妊婦さんが待合室に座っている


私は尿検査のため、トイレにいった


この時私は生理が出たらいいのに…と思ってしまった


良心の呵責…


トイレからでると突然めまいがして倒れてしまった


『大丈夫ですか!先に診察受けましょうね』と看護婦さんが診察室に連れていってくれた



正直ホッとした…



『本城さん、妊娠はしてませんよ。ホルモンのバランスが狂ってるだけです。あと貧血ですね、お薬だしておきますから』


先生にそう言われた


妊娠はしていなかったのだ


待合室で待ってる晴彦を直視出来なかった


『花乃子!どうだった?』


『ごめん…妊娠してなかった…私の勘違い』


『そっか…』


『気分悪いのは貧血らしい』


『じゃあ今日はゆっくり寝てなきゃな』


『晴彦…結婚の事なんだけど』


『いいよ…またあらためてプロポーズするから。今回は諦める』


晴彦は私の手をとると、病院を出た


『じゃあ俺はこのまま仕事いくから。花乃子はタクシーで帰ってゆっくり寝とくんだ。な?』


私の胸が痛んだ


そして思った、『結婚』という言葉が全ての元凶なんだと
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