わがままなメニュー
パスタをくるくる巻いて口に運ぶ私…


普通なら泣きながらすがるよね、私が悪かったって


でもホントの気持ちだもん…


冷静に食事している私がホントの私だ


パスタたくさん残ったな…明日のお弁当に入れていこう


とうとう晴彦がキレてしまった。修復不可能かもしれない


私はお皿を洗いながら、ぼんやりと晴彦が座っていた場所を見た


もうあの場所には帰ってこないかもしれない


私は普通にお風呂に入り、普通にベットにもどり、普通に朝まで眠った



翌朝、残ったパスタを弁当箱につめて、熱いほうじ茶を水筒にいれた


なぜか早起きしたから、いつもより早い電車で、会社に向かった


企画部のデスクを綺麗に拭いて掃除をしていた


『おはよう、本城さんもう大丈夫なの?』


声をかけてきたのは成宮部長だった


『おはようございます。心配かけてすみません、ただの貧血でした』


『こらこら、貧血甘くみたらダメだぞ。ちゃんと薬で改善していかなきゃ』


『そうですね、ありがとうございます』


『それから、この前の企画、通ったからな。家具店とカフェのコラボ。早くて来年の1月には実現だ。よかったな』


『ホントですか?よかった!』


『カフェの手配とかメニュー、いろいろ忙しくなるから今のうちに病気追っ払えよ』


『はい!頑張ります!』


あの企画が通った!夢みたい!昨日の出来事が帳消しになるくらい、嬉しかった
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