わがままなメニュー
『何が美味しいんだ?夕飯奢るよ』と部長は小声で言った


『カレーとオムレツとパスタですね。特にカレーはオススメです』


『じゃあそれにするよ』


私はカレーを二つ注文した


『小さな店だがセンスのいい内装だ』


『野原をイメージしたそうです。テーブルクロスも中々オシャレですよね、決して置かれる料理の邪魔をしない絵柄なんです』


『よくくるのか?』


『週に2、3回は来ますよ』


『彼氏と?』


『友達とです』


『あれからどうなったんだ?』


『連絡…こないです』


『自分からもしてないのか』


『はい…それ覚悟で言っちゃいましたからね』


『仕事は認めるが、どうして結婚してしまうとダメだと思うんだ』


『私は両立させる程器用じゃないからです。だからできないものはできないと、はっきりいいたかったんです』


『男にはもっと甘えるべきだ。特に君みたいな美人は冷たい印象もたれがちなんだから…』


『冷たいですよ、私。同期からも空気読めない女とか、自己チュー女って呼ばれてるし…』


『確かに変わってる。会議室で一人お弁当なんてな』


そのうちカレーが運ばれてきた
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