わがままなメニュー
『こりゃあ絶品だ!俺は辛いのばかりがカレーと思ってたけど…』


『懐かしい味でもあるんですよね、ここのは。後から少し辛さがきて』


『美味いもん食ってる時は幸せだな。横浜にいたときはよく中華街に行ってたよ。小龍包やあんかけ炒飯、大好きなんだ』


『私も中華街好きです。肉まん食べながら歩いて、また買い食いして…楽しいですよね』


『今度美味しい店教えてやるよ。仲直りに彼氏と行ってこい』


『仲直りなんてできるんですかね…』と私は部長の顔を見た


『努力しだいでできるさ』と部長は笑った


『私が折れるって事ですか?』


『どちらかが折れなきゃ仕方ないだろう。君も今は結婚無理でも、将来的には考えられるような努力しなきゃな』


『なんでみんな結婚にこだわるんだろう…晴彦も美沙子も理恵子も…』


私は膨れっ面をしながらつぶやいた


『クールな君がそんな顔するとはね。意外だよ』


『会議室乗っ取って、弁当食べる女のどこがクールなんですか』


『彼氏がダメなら俺がパートナー候補になってやるよ。バツイチだからやりやすいぞ』


『考えときます』と私は笑った
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