わがままなメニュー
ある日のお昼、携帯に晴彦から連絡があった


仕事終わったら話したいことがあると


待ち合わせ場所を聞いてびっくりした


『カフェ食堂野ばら』だったからだ。たぶんたまたま近くを探したんだと思うけど…



仕事が終わり、私は重い足どりで店に向かった


気のせいかドアも重く感じる。店の隅に晴彦がいた


『久しぶり…元気だった?』


『うん…私の企画通って忙しく走り回ってるとこ』


『そうか…よかったな』


『晴彦は…どうなの?』


『俺出張でずっと香港にいたよ。なんかバタバタしてた』


『出張行ってたんだ…』


『黙っててごめん。香港でいろいろ考えてた…これからの事』


『これからの事…』


『俺達一旦距離おかないか?そうしないとまた花乃子困らせそうだ…距離おいて、お互いそれですっきりするようなら元に戻らないほうがいいし…』


『そうね…晴彦のいうとおりかもしれない。そうしましょう』


少し胸が締め付けられた


そして改めて、私はこの人が好きなんだと思った
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