わがままなメニュー
晴彦は晴彦なりにだした答えなんだろう


私のために…


それが切なかった。今年のクリスマスは、久しぶりに一人で過ごさなきゃいけない


結婚にこだわる男とこだわらない女…合うわけないじゃないの


晴彦は私を置いて先に席を立った


私はコーヒーをお代わりすると、しばらく店にいた


『距離をおく』という言葉がずっしり身体にのしかかった


それは『結婚』という言葉よりずっと重かった



マンションに帰ってからも、なんとなくベットでごろごろしていた


今日はなんにも食べたくない。シャワーも浴びたくない…


私は化粧も落とさず、眠ってしまった


こんなこと初めてだ。いくつかの恋愛を体験してきた私だけど、こんなメニューありえなかった


私が男にフラれるということ…


私の辞書にはないことだったのだ
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