わがままなメニュー
のばらさんとの打ち合わせも順調にすすみ、あとは1月を待つのみとなった


『楽しみですね、私もやり甲斐あります』


『本城さん、前に来てたの彼氏?先週の木曜日に…』とのばらさんに聞かれた


『彼氏だった人です。あの日別れちゃいました』


『いい雰囲気だったのに…』


『私がいろいろ我が儘言っちゃってフラれました』と私は苦笑いした


『そうなんだ…私もね、お店するまえに彼氏と別れちゃって。彼氏よりお店とったの。しばらくは忙しかったから忘れられてたんだけど…少し余裕でてきたらいろんな楽しかった事思い出してしまって』


『連絡もとれてないんですか?』


『開店日にお祝いに来てくれた。友達としてこれからは応援するよってね』


『よかったじゃないですか』


『そうでもないわよ』とのばらさんは笑った


そしてカウンターを指さした


そこにはスポーツ選手みたいな体格の男性が、小さくなってジュースを飲んでいた


『毎日来てるんだもん、彼。これじゃあ付き合ってた時と変わらないわ』とまた笑った


結局彼氏はのばらさん諦めてないわけで…なんともほほえましい話しだった
< 36 / 92 >

この作品をシェア

pagetop