わがままなメニュー
『結婚がめんどくさいからじゃないの?結婚するとさ、二人じゃなくなるじゃん?お互いの親や親戚がくっついてきてさ…気配りが倍になるだろ?仕事ってのはあくまで言い訳にしか聞こえないよ』


ハートにグサリときた!実はそれもあるのである


25にしてこの悟りはなんなんだ?


『確かにおっしゃる通りかも…』


『確かにめんどくさいよ。俺だってそう思うからね』


『どうして恋愛を結婚で締め括らなきゃいけないんでしょうね』


『まあ第二の人生の始まりって事じゃないの?』


『私は第二の人生も仕事で成功したいんです』


『欲張りな人だな。余計に気に入ったよ。さすが親父がパートナーにするだけの価値はある』


『直田さんは彼女いないんですか?』


『いるときもあれば、いないときもある…てかさ特定の彼女は作らないようにしてるんだ』


『どうして?』


『それこそ結婚って言葉持ち出すからだよ。不自由になりたくないんだ』


『そんな男の人もいるんですね』


『それはこっちの台詞だよ。結婚嫌う女なんて初めて出会った。なんか得した気分かな』


直田さんはジャズのリズムに合わせ、指をとんとんとカウンターで鳴らしていた
< 43 / 92 >

この作品をシェア

pagetop