わがままなメニュー
帰り際、私達は携帯の番号とアドレスを交換した


『よかったら仕事の相談していいですか?』


『勿論さ、まあ親子共々よろしくね。ホントならキスの一つでもしたいけど、親父の部下だからな…我慢しとくよ』と笑いながらタクシーを拾って、私を見送ってくれた


今夜はパーティーの華やかさより、部長の息子に驚かされた


マンションに戻ったら12時を過ぎていた


パーティーではあまり食べてないのでお腹が空いてきた


私冷凍のドリアをレンジで温め、口にした


夜食なんて美容に悪いけど、熱々のドリアは私の身体を暖めてくれた


一人ぼっちのクリスマスイブ予想してたけど、淋しくなくて良かった


ふと晴彦が気になった


どうしてるんだろうかと、携帯に手が伸びる


ダメ、ダメ!


距離置くっていうことは別れたも同然なのよ?


電話してどうなるっての?


私は心に言い聞かせて、シャワーを浴びた


濃いめの化粧が落ちたら身体が軽くなった


今年もあと少し、頑張らなきゃ
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