わがままなメニュー
『こんな場所で和食っていいでしょ?』


『意外でした。こんな店入ってるなんて。懐石料理みたいでいいですね』


『そんなにお腹いっぱいにならないけど、映画観て帰るくらいにまたお腹空いて、どこかに食べにいけるだろ?』


『ホントですね。値段もリーズナブルだし』


『この店、うちの会社が作ったんだよ』


『そうなんですか!もしかしてデザイン直田さんですか?』


『そう。惚れた?』


『才能に惚れますね。って言うよりジェラシーですよ』


『ジェラシーか』と直田さんは笑った


この人は素直な人だなと思った


思った事実行する自分を持っている


私はといえば、理想を言うわりにはいつも気持ちがぐらついている


それは多分素直になれてないということだ。どこか自分に無理をしている


どうしたら直田さんや成宮部長みたいな人間になれるんだろう…


仕事の才能がないと無理なんだろうか…


才能


やっぱり親子である
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