わがままなメニュー
俺達が飲んでいると、会社の女の子達が入ってきた


『あ、亀岡さんと長谷川さん!今日はここだったんですか?』


うちの部署でも人気の道成寺さつきとその同僚谷口しのぶだった


『二人がこんなとこ来るなんて珍しいな』と亀岡が笑った


『時々来てますよ、ここ美味しいから。隣いいですか?』と道成寺さつきが聞いてきた


『ああ、いいよ。どうぞ』と俺は椅子をひいた


道成寺さつきは美人で明るくて、仕事もできる。一方谷口しのぶは、仕事はできるが性格が暗く、一緒に仕事しててもどこか歯車が合わない


決して悪い子じゃないが、人をあまり寄せ付けないようにしてるみたいだ


そんな二人は、入社時から仲がよくて、つるんでいる


花乃子でいえば理恵子ちゃんみたいなもんだ。まあ理恵子ちゃんは、明るくてあっけらかんとした子だけど…


『なんのお話ししてたんですか?またまた変な話し?』と道成寺さつきが笑った


『おいおい、これでも深刻な話ししてたんだぞ。なあ長谷川』


『ああ…まあな』


『二人が揃うと遊びの話ししかイメージできませんよ』


確かに…花乃子と出会うまで、俺はすごい遊び人だったからな…
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